“SOUL”的陸上競技活動録

陸上競技の集客数問題について 前編

 たびたびタレントでありトップアスリートである武井壮さんが提議している"陸上競技の集客力"問題について。

 "陸上は50種目近くあってそれぞれ決勝8人進むとして400人のトップ選手を観れる試合があるとする。。1人の選手が100人の応援を呼べたら40000人を集客できるのさ。。毎年満席の競技場で戦いたくないか?そんなの運営の仕事だって言って何十年もガラガラだろ、自分達で変えられるんだぜ。。"
 ※10月14日武井壮さんツイートより引用

 不定期にして武井さんは

 『世界にも通用するパフォーマンスをもってる日本の陸上競技選手ですらお客さんを呼べない』

 『自ら広告活動にしていかないとこの現状は打破できない』

 『観客に見てもらえないパフォーマンスは世界レベルであっても意味がない』

 といった主旨の発言を世に繰り出しております。

 陸上競技を始めてたった2年で日本の頂点に立ち、そこで感じた自らの無名さを誰にも理解されないほど痛感した武井さんだからこそ言える言葉です。
 
 陸上競技は人気がない?
 陸上競技はお客さんが来ない?

 確かに今の日本選手権、各地グランプリレースなどなどトップ選手が多数エントリーし、高いパフォーマンスを発揮するレースにおいてもホームスタンドすらお客さんが埋まっているとは決して言い難い。
 
 富士通の高瀬慧選手が200mで日本歴代2位(当時)を叩きだした2015年東日本実業団選手権ではほとんど関係者のみの競技場内で出されたパフォーマンスだといっても過言ではありません(熊谷遠すぎだって・・・)

 あらゆる事例を挙げれば挙げるほど『陸上競技って客入ってねーな』と思い思われても仕方ありません。

 しかし、この現状は本当に何十年も続き改善の余地なく今に至っているのでしょうか?

 完全に陸上競技の集客力に対し、落胆する前にこちらをご覧いただきたい
 
 1996年TOTOスーパー陸上の一競技シーンである。

 バックストレートまで埋まった観衆、ウェーブまで起こせるほどの盛り上がり。

 まぎれもなく、これは日本の国立競技場で開催されたレースなのです。
 
 
 2001年横浜GP(スーパー陸上)での最終種目メドレーリレー。

 マイケル・ジョンソンの引退レースという効果もあり1階スタンドはほぼ満席。私はバックストレートで観戦してました。

 どちらもここ十数年内での競技会です。

 決して満席とは言えませんが、万単位での集客ができていたのは事実です。

 この競技会2つにおける共通点はいくつか挙げられます。
 ●海外選手招待の国際レースであること
 ●有料試合であること
 ●秋に開催されていること
 ●高確率で日本記録、またはそれに匹敵するパフォーマンスが生み出されていたこと
 ●テレビ中継および放送時間が3時間以上確保されていたこと
 
 観客を魅了し、そして満足してもらうにしては上出来のコンテンツです。
 なによりお金を払って観に行く価値がそこにはありました。

 そして屈強な海外選手相手に日本人選手が健闘する。
 非日常的な刺激がそこにもありました。

 そして上だけの例で見れば、現在のGP川崎に足りないものはみえているはずです。

 まず、半端時期の開催。

 まだ選手のコンディションも動向もみえない5月初旬の開催。仕上げるには早すぎるし、6月には日本選手権があり準備期間として捉えられる時期。

 多くの選手にとって、お客様が求めているパフォーマンスは『仕上げ試合』として消化されます。

 武井さんが好きなアイドルを例にさせていただくとすれば

 10月に最終東京ドーム公演を控えた全国ツアーを続けるアイドルグループが5月の公演で本来のパフォーマンスの7割くらいしかお客さんに魅せなかったら、足を運んだ観客はどう思うでしょうか?
 
 恐らくがっかりするに違いありません、そして最終の東京ドーム公演はチケットも取れずに観に行くことができないとしたらそのファンで居続けることにも疑問を抱くかもしれません。

 以上を陸上競技に話を戻すと、まずパフォーマンスが100%発揮されない時期に開かれる大会なんかにわざわざ足を運びたくない、そして集大成の時期にアクセスの簡単な大きな大会(いわゆる最終公演みたいな)がない。
 
 これが今の陸上競技会の流れです。

 果たしてこれは選手の責任なのでしょうか?

 インカレ、実業団、日本選手権、世界大会、国体etc...
 日本のトラック&フィールドシーズンはとても長いです。
 
 これで初旬で全てを出し尽くせ!という方がどうかしてます。

 アイドルも個人でお客さんを呼び、そして公演を成り立たせているわけではありません。

 どんなに可愛い・キレイな女の子でも誰にもスカウトされず、飾られず、教室の隅で読書していればほとんどの人が見向きもしません(こら!下心男子やめろ!)

 アイドルにもプロデューサーがいて、一人ひとりをプロデュースして飾り付けして世に送り出すじゃありませんか。そこに個性が彩られて人気となりお客さんの心をつかむのです。

 選手のパフォーマンスはできています。間違いなく年々仕上がっています。

 問題はやはり運営なのです。年間の大会スケジュールを組み立てる陸連にかかっているのです。

 選手がアイドルだとすれば、プロデューサーは監督ではありません、コーチでもありません。運営なのです。

 お客さんを呼ぶためと選手のパフォーマンスを最大限発揮させるためのレーススケジュール、スポンサード活動、大会運営、広報活動。

 一度メディアを突き放したツケがただ回ってきているだけな気がします。

 
 長くなりそうなので前編とします。
 後編は日本陸上競技界の集客力低下となった原因をさらに掘り起こし、これからまた“盛り上がる陸上競技”を取り戻すにはどうすればいいか、とんちんかんな持論含めて書きたいと思います。
 
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# by soul-tfc | 2015-10-16 00:39 | 陸上競技

つま先を締めない考え方

 世界陸上盛り上がってますね。
 まずこれだけは言わせてください。
 
 『男子マラソンであんなに薄いシューズを履いているのは日本人だけ』

 何を根拠に薄くて軽いシューズが勝負できるのかと思っているのでしょうか?
 
 自らのポテンシャルを優先し、シューズはあくまでアスファルトから足を保護するだけと考えてのシューズ選びでしょうか?

 日本人が“足”でシューズを選んでいるとすれば、海外では“脚”でシューズをチョイスしています。

 急なペース変動、揺さぶり、消耗戦

 全ては脚にかかっています。足ではありません。
 恐らくですが、日本人は常にエキスパートシューズでガンガン走るトレーニングしかしていないため、セミライトシューズの使い方が理解できていません。
 世界との差はここにあります。 
 気温の低い時期に揺さぶりのない、思い通りのペースメイクができるような国内の試合で記録を出しても全く世界と戦うに意味がないことが今年証明された気がします。

 私はただの一市民アスリートに過ぎませんが、5kmも10kmもハーフもフルもウルトラトレイルも経験済みです。多少はロードのノウハウも持ち合わせています。

 特にシューズ次第でフルマラソンのタイムが30分も1時間も変わるとも思っています。

 日本人はシューズから勝負する視野を変えるべきだと強く思いました。


 さて本日のお題に入ります。。。

 みなさん、トラック種目でやはり注目しているのは選手のスパイクですよね?
 私的には今回の世界陸上から多くの種目でNIKEの比率が戻ってきた印象を受けました。
 ついロンドンくらいまでは三本ラインがトラック種目を席巻していたように感じましたが、今年はホワイトを基調としたいつものスウィッシュロゴが多く目に止まりました。

 そこでほとんどの短距離選手が履いていたのが
 
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 このアッパーのスパイクだと思います。

 このねじれたようなシューレースパターン、なかなか珍しいですよね。
 ZOOM JA FLY2といって海外ではすでに販売が始まっています。

 このシューレースパターンは人間の足の構造に沿っているので、シューレースを締めあげるときによりストレスのないフィット感を生みだしています。
 実はランニングシューズではこのパターンを採用しているメーカーがちょくちょくあります。
 
 このパターンは甲が低くても高くても足にストレスなくフィットさせやすいというのが特徴といえるでしょう。

 しかし、『いや、スパイクはガッチリ紐を締めて一体感を出すのが当たり前だろ』と思う方が多いと思います。

 
 靴のフィット感に関して、実はシューズ業界では様々な解釈が生まれております。

 パワーを出すためならきつくてもガッチリフィットさせた方がいい
 
 という考え方と

 ストレスなく足の本来の動きがそのまま出るようなフィット感がいい

 という考え方です。

 
 このスパイクをよく見てみると、指の第一関節から先にかけてはシューレースが被らないように作らています。
 つまりどんなに紐を締めても指に対しては締めあげられない構造です。

 実はここに昨今のランニングシューズにおける考え方の違いが感じられます。

 この構造はフィットストレスを最小限に防ぐためにあえて指関節部位をフリーにするような設計がなされているのです。

 とあるメーカーでは“トゥーボックス”と呼ばれている部位です。

 
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 信じられないと思いますが、今ではこんな形状のシューズが販売されているのです。

 フォアフットでの着地時に起こりえる足裏の衝撃緩和・自然な接地を限りなくシューズが干渉することなく自然に処理するためにこの形状は生まれました。

 ただ、負担なく自然に接地するための構造ですので最大の推進力を得るために接地するのとは少し訳が違います。

 着地部位はハンマーで地面を叩くのと平手で地面を叩くのと同じで面積が小さい方がより強い力が地面へ伝わり反発力に変わります。

 あえて接地面をフリーにすることで力のロスを生んでるのでは?とも考えられます。

 しかし、チーターの足裏はヒヅメのように硬くはありませんよね?
 それどころか関節がそれぞれ柔軟になっていて、かつ鋭く地面を捉えられるような形をしていますよね?
 
 この、トゥーボックスをあえて締めあげない構造

 実は人の足に対してすごく理にかなっているような気がするんです。

 ナイキよくここまで思い切ったなーとさえ思います。

 
 自分でもオチの整理がつかなくなってきたので、最後にまとめますと

 このシューレースパターンはもしからしたら今後のスタンダードになるかもしれないということです。

 でもプレートはJAFLYのままなので、違うプレートに期待する方もいらっしゃるかと。

 果たして久々の新型プレートは登場するのでしょうか?

 私もそこはわかりません・・・・

 
 
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# by soul-tfc | 2015-08-29 03:02 | 陸上スパイク

デサントPOWER COMPOシリーズは陸上界の裏ワザになり得るか

 だいぶ前に紹介させていただきましたデサント社が開発した『アクセルバンド』

 強力なベルトによって腱のたるみをなくし、瞬発力を向上させるというオーバードギアです。
 
 そんなギアに対し挑戦的なアイテムをリリースし続けるデサントがまた興味深い商品を発表しました。
 
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 KOUNOE IN SOLE

 一見はただの中敷きです。なんの変哲もありません。
 ただその編み方が特殊で、滑らないうえに足裏の動きを阻害しないというネット状の構造が本来の指の力、足裏の感覚を呼び起こし裸足並の接地感覚を与えてくれるというものです。

 私も最初はまさかぁという気持ちで試してみました。普通のスニーカーに入れます。歩きます。わかりません(笑)
 そしてスニーカーから取り外します。歩きます。

 なんでしょう?あれ?滑る?掴みにくい?なんとなくだけど膝が外に逃げているような気が。。。

 普段では全然気にもしていなかったスニーカーで歩くことの不自然さが一気に伝わってきました。

 このインソールは足裏感覚を取り戻すだけではありません。地面を掴むという言葉通り、足裏が影響する各モーションを正しく導くためのインソールという役目を果たしています。

 姿勢や骨格を補正するインソールは各社様々出ていますが、筋肉からアプローチをかけ自発的に身体のバランスを保つためのアプローチを仕掛ける構造。。。POWER COMPOならではの発想です。

 作り的にターサーやTAKUMIなどのレーシングモデルに入れるのは難しいですが、トレーニング向けシューズには難なく入れることができるでしょう。

 足裏感覚を鍛えるためにはナイキフリーという手段もありますが、普段のトレーニングシューズに新しい感覚を与えるためとしてこのインソールは試してみる価値があるかもしれません。

 ご興味ある方はぜひ。サイズだけで選べるので悩む心配も少ないですよ。
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# by soul-tfc | 2015-07-29 01:34 | 陸上競技

初代adizerojapanが復刻したよ

 
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 adizero Japan1 ¥10500(税別)

 スプリント用シューズとしては神がかり的な履き心地だったが、boost化し屈曲しにくいソールへと変貌したため完全なマラソンシューズになってしまっていたadizeroJapanが元来のソールパターンで復刻。
 ただDUOソールではなくなってしまったため、グリップ力は落ちたが耐久性はアップ。これは間違いなくマラソンシューズよりもトレーニングシューズとして真価を発揮すること間違いないだろう。

 これで妥協してadizeroMANAを履かずに済むね!やったね!

 ターサージールの耐久力の低さとターサージールTSのフィット感のイマイチさに悩み、ウェーブスペーサーではソールの屈曲に不満が残るというスプリンターにはおすすめの1足。
 
 なにより復刻させるという思い切りの良さに惹かれるね(笑)
 やはりいいモノは時代を遡るべきですよね。

 こっそり更新したので今日はここまでにします。
 
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# by soul-tfc | 2015-07-23 01:51 | シューズ

今流行中のナイキのスパイクってどうなのよ?

 お久しぶりです。かなりサボりました。

 最後に更新した昨年の11月から、コメントもお返しせずに放置し続けていたことを深くお詫び申し上げます。

 個々にコメント欄に返信しても『今更書くんじゃねぇ』と思われますので、ここで返信させていただいてなかった分のご質問に関する個人的見解を申し上げさせていただきます。

 ○ソールの先端がラウンド形状になっているスパイクの存在について

 スパイクの接地理念というのは(面で接地する)か(点で接地する)かで大きく分かれているものが多いです。ローリングするようなランニングシューズと地面に引っかけて反発を推進力に変換するスパイクとでは言わずもがな構造上つま先をラウンドさせると力が逃げてしまうのでスパイクは接地面がまっすぐなモデルが全てです。プレートの柔らかいものを探されている方は思い切ってアンツーカ兼用モデルにもご興味をもっていただくのがおすすめです。

 ○アシックスとアディダスのサイズ選びについて

 アシックスは捨て寸が少ないため足の実寸法+1cmほどがジャストサイズとなりますが、アディダスは0.5cmほどさらに短くなります。アシックスで26.5cmならアディダスでは26.0cmで履くのがいいと思います。

 ○クロノブレイクはしばらく継続です。

 ○ミズノのイージーオーダーもしばらく継続。インクスプレートは現行モデルのひとつ前となります。

 ○タイツは来年からアシックスはコアバランスショートタイツのリリースがなくなります。限定モデルが登場するかもしれませんが、今のところなしです。今年モデル買いですよー。

 
 来年はアシックス・ミズノともに短距離スパイクは全て継続。カラーチェンジのみとなります。
 
 すでに大きな大会では来年のモデルが展示されている場合も多く、ミズノの2015年モデルはすでにチェックされた方もいらっしゃると思います。

 まだアシックスは来年のカラーを履いている選手はまだいなさそうなので何色かは伏せておきます。

 
 最近は山縣選手がナイキのスパイクに変更されたのが一部では話題に上がってますね。

 
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 市場で手に入るナイキのスパイクは現在、『Zoom JA fly』、『Zoom Superfly R4』、『ZOOM CELAR5』、『ZOOM MAX CAT』の4型だと思われます。

 一番主流なのはJA FLY。グローバルスタンダードのピン配列の長年現役で活躍しているプレートです。最近手にとってびっくりしたのがヒール部分がしっかりしていてフィット感の改善がかなりされていることでした。レーシングシューズもこれくらいヒール部分強くしてくださいよNIKEさん。

 ズームセラーもプレートチェンジせずにずっと頑張っているプレートです。JAが固すぎて合わないという方はこちらがおすすめかと思います。

 じゃあ山縣選手が履いているのはJA FLY?といえばそうではありません。

 プレートは2000年頃までリリースされていたズーム スーパーフライ3のプレートです。
 
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 自分が中学3年の時に履いていたモデルになりますので、まず現行では手に入りません。
 
 山縣選手は硬いプレートは合わなそうだと思っていたので、JA FLYはなさそうだなと思っていましたがこのプレートにご興味を持つとはかなり通です。
 
 もちろん復活させてくれますよね?NIKEさん?

 
 最近もっぱらアディダスのスパイクしか履いてませんが、ナイキのスパイクもそろそろ足入れしてみた方がいいかもしれません。



 余談ですが今年から兵庫県は神戸市に引っ越しました。

 いわゆる転勤です。

 
 近隣の方がいらっしゃいましたらよろしくお願いします。
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# by soul-tfc | 2014-09-23 05:38 | 陸上スパイク



兵庫県で走っている一般趣味人競技者の日誌です。社会人陸上と陸上競技用品ネタの話題が多いです。
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自己紹介
1985年9月生まれ。A型
163cm・59kg
学生時代は関東選手権優勝、日本選手権リレー出場程度。
現在はスポーツ用品販売業の傍ら、趣味の範囲で競技生活を続行中。

専門種目
100m~110km

2005年
SOULとして活動を始める。
2007年
SOUL陸上競技部を設立。
2010年
東日本実業団陸上男子
400mR6位
2011年
東日本実業団陸上男子
400mR7位
2011年末
体調不良を理由に
SOUL陸上競技部
の活動を無期限休止。
2012年初春競技再開。
2012年7月おんたけ100kmウルトラトレイル完走
2012年8月ほぼベストまで走りが戻る。
2012年8月26日仕事中に右アキレス腱断裂
2013年8月24日100mに復帰11秒86(-1.1)
2013年9月15日信越五岳トレイルランニングレース110km完走
2014年大阪マラソン出場予定
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