“SOUL”的陸上競技活動録

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短距離はランパン?タイツ?

 日本陸上短距離界では永遠のテーマではないでしょうか?

 リロイ・バレル

 カール・ルイス

 フランク・フレデリクス

 オバデレ・トンプソン

 数々のランパン派名スプリンターは引退し

 今では世界陸上・五輪の決勝にはミドル丈以上のタイツ派スプリンターしか名を連ねていません。

 
 ウサイン・ボルトにアサファ・パウエルやタイソン・ゲイがランパン履いてる姿なんて想像できませんよね?

 
 一方で日本は江里口選手を筆頭に日本選手権の決勝ではランパンスプリンターが席巻しています。

 100M日本記録保持者の伊東選手や200M日本記録保持者の末續選手は樹立時はランパンでした。

 日本では根強く速く走るにはランパンが有効という伝統があるのでしょうか?

 
 そもそもランパン・タイツそれぞれのメリットとはなんでしょうか?

 ランパンはとにかく軽さと通気性を求めたウェアです。元々はマラソン選手のために洗練されてきました。今では素材やインナーにまでこだわりをもって開発が進んでいます。速く走るというよりは快適性を求めて進化が進んでいるギアなのです。

 一方でタイツは一般的にいえば走行時の無駄をなくすためだといえるでしょう。シルエットのひらひら感がなく、吸汗はダイレクトに肌に一番近い状態で走れる。トレーニングに有効のため、マラソン選手でも練習時はタイツという人も多いのはそのためだと思われます。

 最近になって、タイツの着圧が着目されはじめコンプレッションギアと呼ばれる機能性タイツが多く広まるようになりました。筋肉をサポートし、走行中のダメージや乳酸の上昇を抑えてくれるなどなど。。。

 陸上短距離ではこういった機能性タイツを試合で使う選手はまだ見られませんが、最近では日本代表ユニフォームに採用されている『コアバランスタイツ』は最も日本陸上界で普及している機能性タイツといえるでしょう。

 一方で海外ではアディダスの『テックフィット』が広く使われています。昨年のゴールデングランプリにて200Mを19秒26で走りぬけたジャマイカのヨハン・ブレイク選手はアディダスのテックフィットで後半に素晴らしい加速力を発揮しました。

 ナショナルユニフォームにはない機能性がこういった個人戦で記録となって現れるのも珍しくありません。

 
 海外で成績を収めた日本人選手もそのときはタイツだったということも多いです。

 伊東選手が1999年に海外レースで10秒05をマークしたときはタイツでした。朝原選手が10秒02の自己ベストをマークしたときもタイツです。朝原選手は本格的に短距離に専念してからはずっとタイツでしたが。

 また伊東選手は東海大記録会で手動で9秒9をマークしたときも実はタイツです。

 こう考えると短距離ではタイツの方がメリットが高い気がします。それでもなんか脚が引っ張られるとかなんとなく動きづらいとかランパンの快適性から離れられない方も多いのではないでしょうか?

 実際、私もランパンとタイツを交互に使いながら本当はどっちのほうがいいか試行錯誤を繰り返していました。今では職業上、タイツのメリットを多く理解しなるべくタイツで走るようにしています。

 タイツの着圧機能といってもただキツければいいものではありませんが、アシックスのコアバランスタイツやSKINSのA200(運動用のA400では短距離には着圧がきつすぎます)が非常に有効なのではないかと考えます。

 ミズノのバイオギアはカッティングにこだわっているので動きやすいタイツという意味ではタイツで短距離を走ってみたいという方におすすめなのではないでしょうか?

 海外で人気のアディダス『テックフィット』はパワーウェーブシリーズが最もスポーツ向けとされていますが、とてもじゃないですがきつすぎて動きにくいです。

 ナイキのスイフトタイツは形こそあまりかっこよくありませんが、スパンデックスの配合率が高く、弾力性に優れているので気になる方ははいてみてください。私は練習でたまに使っています。

 上記はいずれも7000円以上はするものでランパンから比べればコストは高くなってしまいますが、一瞬の勝負にかけるなら今ではタイツが効果的だと理論面からは断言できます。

 短距離ではハーフタイツなら少し緩めくらい、着圧機能を最大限に体感したい方はミドル丈程のタイツがおすすめです。ハーフタイツで着圧が強いのは腿を上げた際に臀部から引っ張られる感覚が強く残っていまい、ミドル丈で緩いのはタイツのずり上がりが発生してしまい、サポートもへちまもなくなってしまうからです。

 七部丈やロングタイツはいわずもがな、練習で使いましょう。怪我の予防にはタイツが最適です。

 ミズノや一部アシックスではショートタイツという股下10cm程のタイツも出てますが、はっきりいってシルエットのみのええカッコタイツなのであまりおすすめしません。流し一本ごとでタイツの位置を直す手間が増えます。福島選手や土井選手が着用しているのはさらに短いベリーショートですが、こちらはほんの一部の商品に使われています。もちろん男性にはありません。

 最後にタイツの種類が山ほどあるのでお店で店員さんから話をきいていろいろタイツに関しての知識を持っておくといいでしょう。着圧ウェアについて語れるか語れないかでギアに対する認識が高いか満たないかがわかるくらい今のスポーツウェア界ではコンプレッションギアに対して敏感です。

 ランパンでレースに出ている方は勇気をふりしぼってタイツでベストパフォーマンスを狙ってみてください。

 

 
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by soul-tfc | 2012-06-28 00:42 | 陸上競技

デサント“TSアクセルバンド”

 どう調べてもこの商品を使った感想が記事になってないので書こうと思います。

 
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 デサント パワーコンポアクセル TSアクセルバンド ¥7,140(税込)

 「パワーコンポアクセル」は、様々なスポーツのシーンで重要な“瞬発力”アップのためのコンプレッションギアです。クッション性があり、滑り止め効果もあるベースサポーターと、強い伸縮性のあるバンドから構成しています。ベースサポーターを筋腱移行部(ふくらはぎのふくらみの下部)に取り付け、その上からバンドを強く巻きつけることで、強いコンプレッションをかけます。出力と反応速度アップにつながる理想的な羽状筋・腱の状態を強いコンプレッションでサポートすることにより、装着時の「瞬発力」向上を狙います。(特許出願中。次頁以降詳細説明)

 ※羽状筋とは
 羽状筋とは、下肢に多くあり、大きな力を生み出す筋肉はハネ状の構造をもっています。羽状筋は腱に対し、斜めに筋線維が配列されているため、筋と腱の間に羽状角という角度を持っています。人が力を発揮するとき、筋が収縮することで腱が引っ張られ関節が動きます。羽状筋は斜めに配列された 筋線維が収縮し腱が引っ張られるため、力発揮時に羽状角が大きくなります


 
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 鹿児島大学との検証データより

 このグラフをみると、じゃあ100mだと0.2秒縮まるんじゃね??と展示会で見たときに大興奮しました(笑)いやぁ単純ですなぁ。

  要はふくらはぎ下位の部分にありえないくらい強い着圧を加えて無理やり力を引き出してやろうという商品です。

 今では定番となったふくらはぎ用サポーターの短距離版というべきでしょうか。筋ポンプではなく無酸素運動だからこそその下の腱に対して直接アプローチをかけるという発想がまずこの商品のすごいところです。

 
 例のごとく私は発売日以前に手に入れましたが、まず付けてビックリするのがとくにかくキツイ。加圧トレーニングに似たきつさです。でも脚、特に臀部あたりが軽く感じます。
 
 ダッシュで使うとふくらはぎが刺激されすぎているせいか、はじめは重心移動がうまくいきません。平地ではいつも以上にバネが働くせいかすぐにフォームがぶれてしまうので、坂上り走などで負荷を与えつつ出力が上がった状態に慣れる必要がありそうです。

 装着位置にもクセがあるので写真どうりに付けるだけではうまくいきません。何度か試して一番膝が軽く感じる部分に巻くことが大切です。

 レース本番での使用も効果が期待できそうですが、開発者曰くトレーニングで使い続ければその感覚が残るので試合でも同等のパフォーマンスを発揮できるのだとか。要はこの商品を使った感覚をコントロールしろってことですね。

 スタートが苦手な選手、加速局面で力が地面に伝えきれない選手におすすめかもしれません。価格は高いですが、これで速くなると考えれば安いものでしょう。

 成人しきった体の限界を引き出すにはこういったギアは必要不可欠です。トライ&エラー。私も色々試して向上心を忘れないようにしたいですね。

 
 あと、気づいたのですがこの前の日本選手権男子200mで優勝した高瀬選手が履いていたスパイクですが、陸マガでみるとクロノインクスでもサイレンサーでもマッハでもないみたいです。ということはそういうことですね。

 昨年の全日本実業団でこれ見た瞬間にメーカー担当者に問い合わせた自分はかなりの変態だと思いました。

 
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 これがダミーモデルってやつです。昔ジオマッハが出る前も末續選手は真っ黒のスパイクでバレないようにしてました。かえって目立つっちゅーの(笑
 
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by soul-tfc | 2012-06-24 18:26

ガイアの夜明け

 陸上スパイクの特集してましたね。

 アシックスのスパイク・・あれだけ一足一足時間をかけてカーボンを錬成していたらそりゃ市販化はまずないと確信しました。ピン配列だけ同じの擬似モデルがたぶん出るでしょう。サイバーレイとかジャパンライトニングの後継モデルとして。

 アディダスのアディゼロプライムSPもちょろっと出てましたね。国内では限定発売の分、まだ普及率はありませんが、来年以降にどうシェアを伸ばしていくか今から楽しみです。

 
 特集はされませんでしたが、ナイキ・ミズノともにロンドン五輪へ向けたスペシャルモデルを開発済みです。特筆すべきはミズノ。昨年の全日本実業団で塚原選手が履いていたダミーモデルが満を持して商品化されます。

 ナイキはお得意のZOOM JAフライニットで軽量化して商品化。強度なソールに軽量なアッパーがどれだけトップ選手に受けるかがキーとなります。日本では高平選手が着用することになります。

 プーマは相変わらずのボルト頼り。というかボルトだけで十分なのでしょう。コンプリートテセウスは今年もカラーリング以外に変更点はなさそうです。今ではボルトファースという名前に変わっているそうな。

 そんなこんなでオリンピックイヤーは陸上スパイクの目新しさにも注目な1年になりそうですね。
 
 衝動的に自宅の陸上スパイクを撮ってみました。

 
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 たぶん来年にはもっと増えてそうです。。。。
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by soul-tfc | 2012-06-19 23:45 | 陸上スパイク

練習

 昼休みに3kmジョグ+ドリル

 夜に坂上り走を4本

 
 短距離の番組を見ると無性に走りたくなるんですよね。たぶん皆様も同じだと思います。

 
 明日は競技場で走ります。

 
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by soul-tfc | 2012-06-05 01:31

アシックス“CFRP”モデル

 アシックスから謎のスパイクシューズがプレスリリースされてます。
 
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 以下メーカーサイト原文ママ

 シューズのアウターソール(外底)の全面にカーボン繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)を採用し、かつ、効果的に配置されたスパイクピンと一体成型することで、エネルギーロスが少なく、最高速度を維持しやすい陸上短距離用スパイクシューズを開発しました。
今シーズンから国内のトップ層の選手を中心に使用していただく予定です。
 今回開発したスパイクシューズは、アシックススポーツ工学研究所の知見を生かして作製したもので、最もスピードの差が出るといわれるレース中盤以降において、走行中にかかるブレーキや荷重中心の後退などをいかに防ぎ、最高速度を維持できるかという点に着目し開発しました。

 アウターソールのプレートに採用したCFRPは、当社従来のプレートに用いられている樹脂と比べて、剛性・強度が高いといった特徴があります。このCFRPを特殊な技術で積層することで、屈曲性が必要な踏み付け部や、より高い剛性が必要な土踏まず部など、部位によって必要とされる剛性の違いに対応した設計を行なっています。また、CFRPで一体成型することで当社従来のプレートに比べて大幅な軽量化を実現しています。スパイクピンは、重心移動をよりスムーズにするため、小指球部分のピンを最小限にし、母指球部分とつま先の外側部分に密に配置しています。
 アッパーは、軽量で伸びにくい人工皮革を採用しています。フィット感とホールド性を高め、着地時や蹴り出し時のシューズと足のずれを抑えます。

 
 パッと見6mm〜7mmのピンを使用したフラット型ソールのモデルのようです。サイバーレイとサイバーブレードの両方のノウハウを活かしつつカーボンにて剛性を上げた仕様でしょうか。

 の割にはアッパーがお粗末っぽいのがこの写真だけでわかってしまうのが最近のアシックスっぽいです。笑
 
 案の定、先日のゴールデングランプリ後に福島千里選手が『スパイクが合わない!!』なんて愚痴をそっこーメディアに放っていた模様です。
 以下ソース
 福島 スパイク変更で感覚狂う…スタートに課題
 ルメートル選手にも不評のようで、ロンドン五輪での使用はないだとか。じゃあ誰が履くの??笑
 
 ぶっちゃけていうと、フルカーボンプレートはシューズ内のブレが全くない前提で反発力が期待できるというもの。もちろんプレートの捻れやアッパーの横ブレなどもってのほかです。

 ベルトフィッティング+シューレース??のような外見もしくはベルトフィッティングだけのようなモデルのようですが、サイドの強度はこの写真を確認する限りでも決して安心できそうにありません。

 さらにプレートを見る限り接地と荷重移動に研究を重ねた結果の賜物とみてとれますが、どの競技場も全て高反発でこのスパイクのようなピン以外のグリップがなくても問題ないようなノンチップ型で走れるとは限りません。

 最近の国内トップスプリンターは接地と重心移動に優れた技術を発揮する選手が増えてきています。筋力に頼らなくても前へ速く進める技術を持っていることが特徴でしょう。

 着用ターゲットはこういった乗り込み技術と足さばきに自信のあるスプリンターへ向けたモデルとみて間違いはないでしょう。

 このスパイクは歳の早いうちから技術を体得してフォームを完成させる傾向がより強くなった昨今の日本短距離界を強く主張しているような気がしてなりません。もっと荒削りにも対応できる挑戦的なスパイクシューズは作れないものでしょうか。あ、サイバーオーラはなかったことにして笑

 ちなみにこのフルカーボンスパイクの一般発売は今のところ予定はないようで、メーカーには一般に手に取れるモデルができたら持ってきてくださいと伝えており、現物を触れたらまたレポートしたいと思います。


 余談ですが、先日に来年のクロノインクスに触れてきました。ここでは何も書けませんが皆様お楽しみに。
 

 6月5日追記

 今シーズンは江里口選手がCFRPモデルを使用してレースに出ているみたいです。関西実業団で復調しこのまま日本選手権でも結果を出してもらいたいですね。
 
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by soul-tfc | 2012-06-03 23:40 | 陸上スパイク



兵庫県で走っている一般趣味人競技者の日誌です。社会人陸上と陸上競技用品ネタの話題が多いです。
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自己紹介
1985年9月生まれ。A型
163cm・59kg
学生時代は関東選手権優勝、日本選手権リレー出場程度。
現在はスポーツ用品販売業の傍ら、趣味の範囲で競技生活を続行中。

専門種目
100m~110km

2005年
SOULとして活動を始める。
2007年
SOUL陸上競技部を設立。
2010年
東日本実業団陸上男子
400mR6位
2011年
東日本実業団陸上男子
400mR7位
2011年末
体調不良を理由に
SOUL陸上競技部
の活動を無期限休止。
2012年初春競技再開。
2012年7月おんたけ100kmウルトラトレイル完走
2012年8月ほぼベストまで走りが戻る。
2012年8月26日仕事中に右アキレス腱断裂
2013年8月24日100mに復帰11秒86(-1.1)
2013年9月15日信越五岳トレイルランニングレース110km完走
2014年大阪マラソン出場予定
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